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 カビの胞子は、目には見えませんが空中にたくさん漂っています。そしてカビが好む、温度20~30度、湿度70%以上の環境で、酸素があってホコリや食べ物などの栄養がある場所に落ちると、菌糸を伸ばして大きくなります。そこで初めて私たちはカビを認識します。カビは酵素を出してものを分解する力があり、生えた場所を劣化させます。また、アレルゲンになることがあるので生やさないことと、生えたら取り除くことが大事です。知っておきたい予防と対処 マンションのカビ対策暮らしにPLUS IDEAじめじめシーズン到来前に日本防菌防黴学会理事、日本食品微生物学会理事。NPO法人カビ相談センター副理事長。旧大阪府立公衆衛生研究所において、長年に渡り食品微生物の検査と研究に従事。退職後、公益社団法人大阪食品衛生協会食品検査センター所長を経て、現職。教えてくれたのは 久く米め田だ裕ゆう子こさんお風呂の隅︑クローゼットの中︑窓枠のパッキンなど︑ふと気が付くと生えてしまっているカビ︒カビが生えやすい季節を前に︑予防法と生えてしまってからの対処法を紹介します︒ カビの胞子は、目には見えませんが空中にたくさん漂っています。そしてカビが好む、温度20~30度、湿度70%以上の環境で、酸素があってホコリや食べ物などの栄養がある場所に落ちると、菌糸を伸ばして大きくなります。そこで初めて私たちはカビを認識します。カビは酵素を出してものを分解する力があり、生えた場所を劣化させます。また、アレルゲンになることがあるので生やさないことと、生えたら取り除くことが大事です。空中にたくさん漂うカビの胞子「そもそもカビはどこからやって来る?」もともとの住みかは土壌カビが生える4大条件20~30度で最も生育70%以上で生えやすくなる酸素を必要とする真菌類ホコリや食べ物のカスなどがエサ温度湿度酸素栄養カビは土の中に生息し、動植物や昆虫などの死がいを分解して土に戻す仕事をしています。それらのカビの胞子や菌糸が土の表面から舞い上がり、風に乗ってあちこちに飛散。空気中にはカビの胞子が1㎥あたり100~500個あるとされています。カビが好きな温度は20~30度。20度以下でもゆっくりと生えることができ、0度以下では生えません。湿度が高い状況を好むカビ。ジメジメとした梅雨は要注意です。70%未満では生えにくくなります。カビは「好気性(こうきせい)」といって、酸素がないと生きていけません。真空状態では生えないのです。カビは髪や皮脂、食べ物のカス、ペットの毛のほか、シャンプーなどに含まれることが多い界面活性剤などを栄養として生えます。14

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