マンション生活辞典

賢いマンションライフのための「なるほど」を提供します。

お部屋内の設備の修繕・修理「自分で行う」と「専門会社に任せる」を区分する

大切なお住まいを見渡して「ご自身でできるお手入れ(部位 )」と「専門会社に任せるメンテナンス・修理(部位)」とを十分に理解した上で手を加え、質を維持することがライフサイクルコストの低減やマンションの価値の維持につながります。

そこでまずご理解いただきたいのが、修繕・修理の専門会社に依頼する際の作業見積の内容です。

修繕・修理の内容と見積り

修繕・修理を行うリフォーム会社がお住まいを訪問して作業を行う費用の内訳には、一般的に次の項目が含まれます。
※リフォーム会社によっては、1つの項目に他の項目を含めている場合があります。

  1. 出張費・交通費
  2. 作業費(工賃)
  3. 材料費(部品代)
  4. 諸経費

上記に加え、修繕・修理の内容によっては

  1. 養生費
  2. 処分費

専門会社の作業員がうかがって修繕・修理作業を行うと、相応の費用が発生します。この費用を、ライフサイクルコストの観点でとらえ「しかるべき費用をしっかりかけて、専門会社にきちんとした修繕・修理を依頼する」点と、「日常のお手入れをしっかりし、ご自身の手でメンテナンスをしていく」点とに分けて管理することが、トータルコストの低減につながるということができます。

図 ライフサイクルコストの低減

見積もりの金額と人工(にんく)代

たとえば、収納スペースの中の棚板を増やそうと考え、修繕・修理を専門会社に依頼した場合、コストについてどう考えたらいいでしょう。棚板を取り付ける作業自体は30分から1時間程とします。

依頼した方は、取り付けにかかった1時間を「作業時間」とお考えになるでしょう。

一般的なリフォーム会社などでは、1人工(にんく:職人さん1人当りが1日作業することにより生ずる費用)25,000円といわれています。1日7時間労働としてその1/7の約3,600円に、棚板+部品代4,000円~5,000円程度を加えた金額で済むと計算してしまうと思います。

一方、依頼を受けた施工会社は、作業時間がたとえ10分であってもお客さま宅への行き帰りに要する時間、資材・作業道具を積んでの自動車での移動、他の現場を掛け持ちできない状況などを考えると「半日仕事」に相当します。25,000円の1/2にあたる12,500円+棚板・部品代4,000円~5,000円の合計17,500円を計上することとなります。依頼主と請負側とでは1万円の差が生じます。

ご自身で行うか、専門会社に依頼するかは、修繕・修理の内容次第で判断することをお勧めします。無料見積りのサービスなども活用すると良いでしょう。

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